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問い合わせ先

総務課学融合推進事務室
学融合推進センター事務係

〒240-0193
神奈川県三浦郡葉山町(湘南国際村)

TEL:046-858-1629、1657(事務直通)
FAX:046-858-1546
e-mail : cpis-office(at)ml.soken.ac.jp

大統合自然史(仮称)

第三回 大統合自然史授業開発研究会


開催日時:平成27年12月18日(金)13時より18時まで

開催場所:コンベンションルーム AP品川
 東京都港区高輪3-25-23京急第2ビル 10階 Dルーム
 JR・京浜急行品川駅高輪口より徒歩3分
 http://www.tc-forum.co.jp/kanto-area/ap-shinagawa/shn-base/



【概要】
 平成27年12月18日(金)に、コンベンションルームAP品川において、第3回大統合自然史授業開発研究会が行われました。第3回研究会では、日程等を含め、具体的にどのような授業にしていくかについて議論が行われました。特に、授業内容では、自然史としての大きな流れを概観するコア部と、個別のテーマを扱うトピックス部の二部構成で行うこと、コア部は「宇宙編」「地球編」「生命編」「人類編」の4領域で構成するといった案が提示されました。前回の研究会で問題となった文科の関わり方についても、特に文科のために新たな領域を作るのではなく、コア部の内容に、文科からの視点を入れていくのがよいのではないかという方向で議論がまとまりました。また、平田先生から、共同研究「科学と社会」の経験についてのお話があり、授業企画と平行して共同研究を行っていく必要性についても確認しました。

【「大統合自然史」試行授業案について】
 鎌田先生からの前回の研究会についての報告と自己紹介を経て、まず、学融合推進センターの菊地先生から試行授業案についての説明がありました。授業名が「大統合自然史」、1単位45時間相当、形態は集中講義で学融合レクチャーとして実施するということ。さらに、具体案として、博物館等を利用して1泊2日で計4コマの授業を行い、時期をおいて、再度基盤機関に集まり、そこでディスカッション(2コマ)を行う、1泊2日+1日の博物館利用モデルと、基盤機関において、2泊3日で6コマの授業を行う、2泊3日の基盤機関利用モデルが出されました。
 博物館利用モデルについては、博物館の提供しているものをそのまま使うだけでいいのか、単なる見学に終わらないような工夫が必要という意見が出されました。また、レポートを提出して、終わりにするのではなく、レポート提出の後に発表する場をもうけ、ディスカッションした方が相乗効果があってよいという議論にもなりました。

【「大統合自然史」シラバス案・授業構成について】
 続けて、鎌田先生から、授業内容についてお話がありました。
 まず、文系学問分野の位置づけについて。鎌田先生からは、今までの宇宙・地球・生命・人類に加えて、新たに「人間文化編」という領域を設けてはどうか、という提案がなされました。しかし、藤井先生から、これでは理系と文系の分離を促進してしまうとの反論があり、議論の結果、「人間文化編」を別に立てるのではなく、同じ問題を文系の側から別のアプローチで扱うかたちにした方がいいということになりました。
 次に、授業の構成について。自然史としての大きな流れを扱うコア部と、個別のテーマに焦点をあてたトピックス部の二部構成に分けて行うとの提案があり、特にコア部の内容についてどのような問題を扱うのがよいか、活発な議論が交わされました。
 宇宙編では、暗黒エネルギーの扱いに関する、天文学者と素粒子学者の間での認識の違いが話題になり、こうした異分野間の議論ができると面白いという意見が出ました。
 地球編では、従来、白亜紀などヨーロッパの地層から時代を認定してきたが、現在、新たに「千葉時代」と認定されそうな地層がでてきたことがとりあげられ、従来、なぜヨーロッパ中心の見方になってきたのかについて説き起こせるとよいのではないかとの議論になりました。
 生命編については、颯田先生から、現在、生物の研究は分子のレベルから、細胞、組織、個体、社会などの各階層にわかれて研究がすすめられているので、それぞれの階層をつなぐ議論が重要になってくるというお話から、生命の定義をどうするのかといった問題にまで焦点があてられました。
 人類編では、脳科学が当然重要となってくるであろうとの議論を端緒に、ホモサピエンスとネアンデルタールの違いなど、どこまでを人類と呼ぶか、そもそも人類という概念はいつごろからあるのか、人権などとの問題と併せて考えるべきではないかなどの議論になりました。
 それぞれの分野の考えを相対化し、さらには、科学史の人などに加わってもらって、自然科学そのものを相対化するような視点が出せると面白くなるのではないか、という問題に関心が集まりました。

【研究紹介「南極湖沼生態系の構造と地史」】
 その後、極地研の伊村先生から、南極のコケの研究についてお話を伺いました。南極は低温により、液体の水がなく、極端な乾燥状態にあるため、陸上に生物はほとんどいないが、池の氷の下は生物圏となっていて、コケの塔がたくさんできているということで、伊村先生はこれをコケボウズと名づけ、切り分けて、どのような生物から構成され、どのような生態系をなしているのか、また、このコケがどこから、いつ南極に入ってきたのかなど、さまざまな角度から研究されているということでした。

【研究紹介「分野横断教育の構築に向けて—共同研究「科学と社会」の経験から」】
 最後に、平田先生に、共同研究「科学と社会」を立ち上げたときの経験についてお話していただきました。「科学と社会」という問題について、何をしたらいいのか手探りの状態から、研究会やワークショップを重ねることで、参加者も増えていき、「科学と社会」についての具体的なイメージが出せるようになったこと、また、そこでできた人のつながりを生かして、研究会メンバーを講師に、湘南レクチャー「科学における社会リテラシー」を行うまでの流れをお話いただき、それを受け、大統合自然史の場合も、授業計画と平行して研究会活動をやっていく必要があるとの議論になりました。

【まとめ】
 以上のように、授業をどのように実施していくか、また、授業の内容についてどのような問題を扱うか、かなり具体的になった研究会でした。今後についても、授業計画と研究会と平行してすすめていくべきといった方針も出されました。また他にも、コア部のテーマについて、文系から見たときどんなアプローチがあるのか、意見をみんなに寄せてもらうのがいいのではないか、という提案や、すすめていくにあたって、専攻長の協力が重要になってくるので、その点もはたらきかけが必要であるなど、様々な提案がなされた、非常に有意義な研究会になりました。

【会の様子】