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問い合わせ先

総務課学融合推進事務室
学融合推進センター事務係

〒240-0193
神奈川県三浦郡葉山町(湘南国際村)

TEL:046-858-1629、1657(事務直通)
FAX:046-858-1546
e-mail : cpis-office(at)ml.soken.ac.jp

学融合レクチャー

ハラスメント概論


開催日時:平成29年7月22日(土) 14:00-16:00

開催場所:東京工業大学キャンパスイノベーションセンター


【概要】
 2017年7月22日(土)に東京工業大学キャンパスイノベーションセンターにおいて、学融合レクチャー「ハラスメント概論」が行われました。当日は東北大学の吉武清實先生をお招きして、豊富な実例に基づいたキャンパスハラスメントの実態と対策についてお話をうかがいました。学生をはじめ教員、また事務職の方からも参加があり、みなさん熱心に受講されていました。
 はじめに、学融合推進センターの菊地浩平先生から、授業の目的の説明と講師の先生のご紹介がありました。そこで菊地先生が強調されていたのは、ハラスメントの被害者あるいは加害者にならないために、ハラスメントについての知識を身つけておくことの重要性でした。
 吉武先生の講義は、先生が長く学生相談に関わってきた経験に基づくもので、豊富な具体例を交えた、大変にわかりやすい内容のものでした。
 まず、ハラスメントは精神的暴力であり、放置できない人権侵害として大学側の対策が必要であること、現状、ハラスメントに関する訴訟が多く起されており、大学側も危機意識をもってきているというお話でした。一見ハラスメントが起こっていないように見えても、全くないというのは考えにくく、問題のある人が担当者であったり、また、教員同士では相互尊重の態度をとるが下の立場の人には違う態度をとる教員を、担当者が看過してしまい、表面化していないだけの場合もあるとのことでした。また古参の准教授が新任の教授にハラスメントを行った例もあり、身分や立場は必ずしも関係しないということも補足されました。
 そして、ハラスメントは研究の停滞や最悪の結果、自殺に追い込まれるなど、非常に大きな損失を招くものであり、その対策の必要性も強調されました。対策としては、大学の相談員が素人の相談員であってはいけない、研修を行った常勤の職員が継続して行う必要があるということ。そして、解決の方法としては、ハラスメントが実際にあったのかを「調査」し、教員を処分するという従来の対処法は、調査に時間がかかり、調査中は研究業績をつくれない等の弊害があるほか、双方の言い分が食い違い、うまく解決できない場合も多いということでした。そこで、ハラッサーの先生を当該学生の実験や審査に関わらせないようにする等の「調整」という対処法を有効な解決方法として紹介されました。
 その他、具体例に基づき、D2の時にプロジェクトの重要な戦力として学生を休みなく働かせてしまう先生がいるが、ワークバランスの観点から、きちんと休みをとらせる等の指導が重要であること、また頻繁な送迎や食事など学生との距離感を忘れてしまった先生の事例、仲が悪い先生同士が学生を使って代理戦争をしてしまう例などをお話くださり、ハラスメントが我々が思っているよりも多様であることにも気づかされました。また最近の事例としてSNS上のトラブルについても言及されました。
 最後に参加者との質疑応答がありました。ハラスメントの問題をどう解決するのか、あるいは、総研大のような学生と教員の距離が近しい場合はどうしたらよいのか、ハラスメントをする教員が、第三者の介入で実際に態度を改めた例があるのか等の質問が参加者から出され、吉武先生からは次のような回答がありました。解決法については、学部やマスターであれば、調整で解決可能と思うとのことです。距離が近い場合は、第三者の介入が必要だが、その際、同僚が間に入って権限を行使できるようガイドラインを整備しておく必要があるというお答えでした。ハラッサーの教員がハラスメントを指摘されたときの反応は、反省される先生もいる、また、指摘されて驚く先生もいて、教員の側にハラスメントをしている自覚があるとは限らないということでした。いずれにせよ、早めの相談が望ましいということもおっしゃっていました。
 吉武先生が紹介された事例は、ハラスメントというのは人間関係の問題であり、みなが直面する可能性のあるものだということがよくわかるものでした。これに対処するため、それぞれが危機意識を持ち、「相互尊重の文化の創造者」とならなければいけないことを教えられた大変有意義な講義でした。