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問い合わせ先

総務課学融合推進事務室
学融合推進センター事務係

〒240-0193
神奈川県三浦郡葉山町(湘南国際村)

TEL:046-858-1629、1657(事務直通)
FAX:046-858-1546
e-mail : cpis-office(at)ml.soken.ac.jp

学融合レクチャー

大学教員を目指す人のための教育の方法・技術


開催日時:平成29年9月21日-23日

開催場所:飯田市美術博物館 等


【概要】
 9月21日から23日にかけて、飯田市にて学融合レクチャー「大学教員を目指す人のための教育の方法・技術」が開講されました。本レクチャーは教育方法論・授業論を学び、自らの研究成果を効果的に教授していくための知識・技術・態度を身につけることを目的としたレクチャーです。レクチャーの最後に、飯田市の市民の方を対象とした授業の実践を行う点が本レクチャーの最大の特徴です。

【授業の実践のポスターと当日のプログラム】


【授業実践のスライドと解説】

講義1「質量分析法:小さな分子を見る技術」
田中 弥(国立遺伝学研究所/遺伝学専攻)


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2002年、田中耕一さんは質量分析の新たな手法を開発し、サラリーマンという立場にありながらノーベル化学賞を受賞しました。彼の素朴な人柄もありこのニュースは非常に話題になりました。ところで「質量分析法」とは何なのか、皆さんご存知でしょうか。ここではWikipediaの記事に沿って質量分析法の原理について解説しています。記事は専門的な用語を含むため理解しにくいですが、スライドに沿って用語の意味を一つ一つ確認していくことで記事の文章を理解できるはずです。原理の解説のあとには、田中耕一さんが可能とした生体高分子の質量分析がこの分野をどのように発展させたかを説明しています。生体内の分子を高感度に検出できる質量分析は病気の診断や機能性食品の開発への寄与が期待され、実際にそのような新技術はすでに完成してきています。質量分析法の原理や応用について、このスライドから知ってもらえたらと思います。

講義2「量子力学 超入門」
青木 優美(高エネルギー加速器研究機構/素粒子原子核専攻)


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皆さんはアインシュタインがノーベル賞を取った研究は何か知っていますか?実は、有名な「相 対性理論」ではなく「光量子仮説」という功績でノーベル賞を取ったのです。今回は数式をでき るだけ使わずに「光量子仮説」の解説を試みました。  話は19世紀末まで遡ります。当時「物理学はほとんど完成した」と言われていました。しかし それを覆す出来事が起こりました。そのきっかけを作ったのはプランクという物理学者でした。 彼は当時の製鉄が盛んな背景から生まれた、光の色と温度の関係式から、光の波の振幅はとびと びの値しか取れない、という「量子仮説」を唱えました。それを受けてアインシュタインは光は 波であるとともに、粒子でもあり、1個の光の粒子のエネルギーが決まった値なのである、という 「光量子仮説」を考え出しました。完成されたと思われた物理学にこのような新しい考え方を与 えたアインシュタインは「現代物理学の父」とも呼ばれています。

講義3「人工知能を支える統計学と機械学習の入門」
アンドラーデ・ダニエル(統計数理研究所/統計科学専攻)


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人工知能(AI)は、広い意味では様々な技術を表している。この授業の目的は、受講者が自分でAIにおける統計学とデータの中心役を説明でき、いつAIが失敗するかを想定できることとする。 実はAIは多くの学問に支えられているが、ここ数年統計学と機械学習の重要性が明白となっている。30年前にはAIの実現を目指しているエキスパートシステムという方法が主流だった。ただし、エキスパートシステムを実現するためにコストの高い専門家が開発に関わる時間が多かった。一方、統計学によるAIではデータによって統計モデルが得られ、専門家の関わりが減らせる。さらに、 ここ数10年の間に、簡単に大量のデータの取得と処理が可能となって、いわゆるビッグデータが、統計モデルへの改善と繋がっている。 しかも統計学によってAIの予測をどれほど信頼できるかも定量化が可能。簡単にいうと過去のデータにない現象が入力されたら、AIにおいても予測が困難。

講義4「生物の発生を可視化するノーベル賞技術」
島田 龍輝(国立遺伝学研究所/遺伝学専攻)


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生物の発生を理解するためには、遺伝子が”どこで”、”何を”しているのかを明らかにすることが必要である。”どこで”を明らかにする為に、GFP を目的の遺伝子の代わりに発現させ、遺伝子の発現が可視化されている。”何を”については、ES細胞を用いて遺伝子を破壊することで起きる現象を解析することで評価することができる。  上記のGFPとES細胞の開発によって研究手法が大きく変わり、生物の発生も次々に明らかにされてきた。研究スタイルを変革したこれらの技術はその功績によりノーベル賞を受賞している。  では今後どのような技術がノーベル賞を受賞するのだろうか。有力視されている1つの技術に、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集技術がある。この技術はES細胞を介さず、遺伝子改変ができるようになり、研究に必要とされる期間が大幅に短縮された。この技術もまた研究スタイルを大きく変革しており、近い将来ノーベル賞を受賞することが期待されている。


【会の様子】


※ 本レクチャーの様子はブログ(http://cpis.soken.ac.jp/blog/1710.html)でも紹介されております。
また、授業実践(大学連携市民公開講座)の様子は、2017年9月24日の中日新聞と9月29日の南信州新聞に掲載されました。