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総務課学融合推進事務室
学融合推進センター事務係

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大学院教育研究会  23 March 2017

第2回大学院教育研究会「大学院における授業」

 【概要】
 平成29年3月23日(木)に、一橋講堂において平成28年度第2回大学院教育研究会が行われました。今回は「大学院における授業」というテーマで、研究の蓄積が少ない大学院教育における授業のあり方について、ワークショップ形式で議論がなされました。

  【話題提供「大学院における「授業論」】
 はじめに学融合推進センターの七田麻美子先生から、「大学院における「授業論」」と題して話題提供がありました。最新の教育学の成果に基づいて、授業論をわかりやすく解説していただきました。
 まず、授業の歴史的な背景から説き起こされ、一斉授業という形式が比較的新しい教育形式であること、授業を考える上で、現在は学習者中心主義が主流となっていること、経験主義と系統主義の違い、現在では、認知心理学の発達とともに、学習者の経験を拡張してゆく経験主義が主流となっていることなどの説明がありました。
 また授業の構成要素として、教育目標、教材・教具、教授行為・学習形態、教育評価の4点をあげられ説明がありました。教育目標はその授業によって何ができるようになるか、何が身につくか。教材はその授業で何を学ぶか。ただし、教育目標と教材を混同している場合が多く、シラバス作成にあたってはその点も注意が必要であるということでした。
 最後に、教育評価についても説明していただきました。教育評価は、学習目標にどれだけ近づいたかによって判断するべきということ。また、学生それぞれの学習の結果に対応するため、評価方法が多様化していることもお話がありました。テストやレポート以外に、学習者の活動を評価するパフォーマンス評価、到達点が教授者の意図と違ってしまった場合の学習効果を評価するためのゴールフリー評価。またそれと類似の試みとして、学習者がどういう授業を受けて、どういう評価を受けたかを教員のコメントもあわせて詳細に記録し、そこから総合的に学習活動を評価してゆくポートフォリオという試みも紹介してくださいました。

  【ワークショップ1「大学院のシラバスとは」】
 今回の研究会では、参加者のみなさんに授業シラバスを準備してもらうという事前課題が出されていました。ワークショップでは、七田先生の話題提供を受けて、準備してきたシラバスの中身を検討していくかたちで議論が行われました。そこでは、概要と目標の区別が明確になっていなかった、さまざまな専攻の学生を想定した授業だったので、ゴールフリー評価を知っていればそれを反映させればよかった等の意見が出ました。また、前任者のシラバスを参考にして書いたため、自分の研究内容がシラバスに反映されず、やや魅力に乏しいものになってしまったという意見もありました。学生の参加者からは、論文のアブストラクトのような書き方をしているシラバスが印象に残ったという意見もあり、どのようなシラバスが魅力的に見えるかという議論にもなりました。その他、大学院の場合、論文指導のシラバスはどうすべきかという問題もとりあげられました。

  【ワークショップ2「授業案を作ってみよう」】
 また、授業案のあり方についても議論がなされました。特に問題としてとりあげられたのが、15回の授業を実施していく過程でシラバスの計画との間にズレがでてくる。このズレをどのようにコントロールするのかということでした。七田先生からはこれに対して最新の研究成果から学生が今全体の中のどの部分を学習しているか認知させる方法について紹介がありました。

  【まとめ】
 最後に行った全体討議では、大学院での講義は人数が少なく、また内容も学部に比べて高度になってくるので、学部の講義とはまた違ったものになってくるのではないか。大学院の場合はシラバスの質が低いから教育の質が低いということにはならないのではないか。また、シラバスを見て、面白い授業をやっていることがわかれば、大学の広報活動にも利用できるのではないか。シラバスから、授業と授業の関係、全体の教育の中でのその授業の位置づけがわかるとさらによくなるのではないか等、さまざまなコメントが寄せられました。
 このように大学院教育における授業のあり方について、またシラバスの重要性について貴重な意見交換を行うことができた有意義な研究会でした。